開封府

少し前に終わってしまったこの中国歴史ドラマのことをまずは。

何の気なしにチェンネルを回したときに、包拯(主人公)を演じるビクターホアンの演技があまりにチャーミングで目が離せなくなり58話まで一日一話を完走。

 

包拯は中国北宋の実在の人物。日本で言えば大岡越前水戸光圀公に例えられる公正な裁きで歴史に名を残した・・・という解説を読んだけれど本編を見た限りでは少し違う。貧しい生まれ、生後あまりの「色黒さ」に実親にも捨てられたこと、そしてそんな自分を育ててくれた兄が腐敗した役人に罪をなすりつけられ殺されたことが、刻苦勉励して科挙に合格し法の公正を頑固なまでに貫く彼のバックボーン。日本で言うと誰かな?

 

最初にこの人なにチャーミング‼!と思ったのは歩き方。SWのC3po歩きと称されていたがリスのような小動物のようなぎこちなさ。そしてお仕事ではまっすぐで切れ者なのに、人と人として向き合うシーンでは相手と目を合わせられない。ぶきっちょで驚くべき臆病さを内包していて目が離せなくなった。

そんな彼がやがて家族を襲う苦難に涙し、そしてはじめて(本当に58話、最後の最後になってはじめて)微笑むときに、この人物造型の深さを思い知る。

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包拯だけでなく魅力ある登場人物が溢れていて(一人一人について書きたいぐらい)、誰も彼も宿命を背負い愛憎に翻弄されながら生きる。そして皇帝から女官、軍人、刺客に至るまで、すべての登場人物が信仰告白をして己が旋律をかき鳴らす。熱烈乞続編。

 

・個人的には服毒死の多いのに驚いた。日本だったら刀で斬る場面で、毒(もちろん刀もあるけれど)。斬るほう斬られるほう痛いし自分だったら毒のほうがいい。媚薬も登場するし、なんせ漢方の国。

・役者さんが上質!包拯を除いて特に好きだったのは…と書きかけて居すぎたのでまた後日。

・それとン十年前に中国語をかじったことがあったので、ちょっとした部分が分かるのが分かる!と嬉しかった!

…その後色々と中韓歴史ドラマ物色していますがなかなかこのドラマのように惹かれないなあ、残念ながら。今は趣向を変えて深夜食堂を見ています。三人娘が好きっす。